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第2回レジリエンス認証取得団体を公表しました
2016月12年27日
2016年7月29日、内閣官房「国土強靭化貢献団体の認証に関するガイドライン」にもとづく
第2回レジリエンス認証取得団体を公表しました。
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第2回レジリエンス認証 認証審査副委員長からのコメント
第2回国土強靭化貢献団体認証(レジリエンス認証)審査に、第1回に引き続き、大企業から中小企業まで幅広い団体からご応募をいただきましたことに、認証審査委員会を代表して御礼を申し上げます。第1回と第2回をあわせて、これまで64団体を認証させていただきました。業種も建設業、製造業、電気・ガス・熱供給・水道業、運輸業・郵便業、卸売業・小売業、学術研究・専門・技術サービス業、医療・福祉、情報通信業、金融業・保険業、不動産業・物品賃貸業、教育・学習支援業、その他サービス業等と多岐にわたっています。
本認証制度では、危機事象発生時において、事業継続力を発揮して日本のレジリエンスに貢献できる団体を認証することを目的としています。自らの重要業務と目標復旧時間を的確に把握し、事業継続戦略・対策を着実に実施し、訓練を繰り返し、継続的改善により前進を続けている団体を認証することを目指しております。このため、事前対策、訓練・改善の実績等について、面接にて役員の方々よりご説明いただくことで、実効的な取組を実施されていることについて審査・確認してまいりました。
従来の防災・減災で取り組まれてきたように「できる限り問題・被害が発生しないように事前に取り組みを行うこと」は変わらず重要で大前提となることは言うまでもありません。そのことに加えて、事業継続のためには「問題・被害が発生したらどうするかを事前に考え抜き、対応力を高めるための取り組みを進める」ことが重要であると考えています。重要リソースが制限を受ける状況下では、活動に様々な制約がかかります。そのような中でも、如何に重要業務の継続や目標復旧時間までの事業再開を達成し得るのかを検証し、その実現可能性を向上させるように、発災後の対応に備えた環境を事前に整えておくことが重要です。
今回役員の方にもお越しいただき、経営者の強いリーダーシップのもとで事業継続への取り組みを進めている生きた現場のお話を伺えたことは、大変心強く、貴重な経験となりました。今後も本制度を通じて、事業継続力を高めるための有効な仕組みに対する理解を深めるとともに、優れた取り組みについては範例として広く共有していくことができればと考えています。また、「国土強靱化貢献団体の認証に関するガイドライン」の中では、「いかなる事態が発生しても機能不全に陥らない経済社会システムを確保しておくことは、災害等から地域住民の生命・財産を守るのみならず、国・地方公共団体・民間事業者(企業・団体等)それぞれに状況変化への対応力や生産性・効率性の向上をもたらし、もって、産業競争力・経済成長力を向上させ、中長期的に持続可能な成長を後押しするものである。」と述べられています。事業継続の取り組みを通じて、組織が困難な状況へも適応できる能力を身につけるということがその本質であり重要なことではないかと考えております。今回の審査を通じて、組織の強靱さを高めることが組織の成長に繋がるということについても思いを新たに致しました。
尚、今回認証の基準が満たされておらず、大変残念ながら不適合となったケースもございました。しかしながらそのようなケースにおきましても、面接審査においては今後取り組むべき内容について密度の濃い意見交換をさせていただくことができました。今回不足していた必須項目に対して今後取り組みを進めていただき、認証に再度の申請をいただくことができれば、大変意義のあるプロセスになると考えております。
昨今の災害には巨大化・複合化の傾向もあり、これから私たちの社会はますます難しい対応を迫られることになります。私たちの組織や地域社会は、入念に対策を講じていたとしても程度の差こそあれ被害を受けることは避けられません。被害を受けながらも致命的な状況を回避し、厳しく困難な時期を乗り切り、乗り越える力こそが重要となります。このような厳しい環境変化を乗り越えるしなやかな力を備えることが、レジリエントな姿と言えるのではないでしょうか。場当たり的な対応では決して来るべき危機を乗り越えることはできません。社会全体で事業継続への取り組みを推進する必要があります。関係者の皆様のご批判をいただきながら議論を重ね、本認証制度を、優れた現場の皆様の多様な取り組みを評価し、後押しできるような有意義な制度に育てていきたいと考えております。
最後になりますが、本制度の運用が開始されてからまだ日が浅く、至らぬ点も多々あったかと存じますが、今後も改善に努めて参りますので、引き続き本認証制度に関心をお持ちいただきますようどうぞよろしくお願い申し上げます。
認証審査副委員長(委員長代理)
増田 幸宏(芝浦工業大学 システム理工学部 准教授)